AIXTRON社の導入事例 [11.01.24]

使用ソフト:CFD-ACE+SUITE
AIXTRON社は、CFD-ACE+SUITEを使用して、LED生産設備のコスト削減に成功しました。
AIXTRON社 CFD-ACE+SUITE

マルチフィジックス解析によりLED生産設備の生産設備コストを削減 

概要

経緯

AIXTRON社では、MOVPE反応炉とチャンバーの開発において CFD-ACE+が10年以上にわたり使用されてきました。CFD-ACE+の複数の物理現象を統合して解析する機能は、成膜工程と反応器の設計パラメータが、成膜層の均一性と成長効率や性能基準に与える影響を評価することができます。

課題

・LED 普及に向けた製造原価の低減
・有機金属気相成長法(MOVPE 法)の成膜効率と工程の制御
・LED 生産設備のコストの低減

効果

・生産設備におけるMOVPE 反応炉のコストの削減
・MOVPE 反応炉のコストの削減によるLED 製造原価の低減
・シミュレーションによる技術リスクの低減と開発期間短縮

AIXTRON AG社(本社:ドイツ、アーヘン)は、半導体産業で使用する成膜装置の大手メーカーで、1983年に設立されました。成膜装置は、気化した有機金属材料を原料として結晶を成長させるための装置です。成膜装置は、発光ダイオード (LED)のベースとなる化合物半導体の製造に必要なものです。

LED 普及の最大の障害は
製造原価の高さ

シミュレーション実行により、最初の試みで完全な状態で製造できた部品

シミュレーション実行により、最初の試みで完全な状態で製造できた部品

これまでの発光方式と比べてLED には多くの利点があります。従来の白熱電球と比べて電気を光に変換するときのエネルギー効率が高いというメリットを持っています。また寿命も非常に長く、サイズが小さいため幅広い用途に利用できます。さらに、LED 照明は省エネルギーとCO2 排出削減にも貢献します。

高輝度LED の市場は、2001 年から2006 年の間に25 ~ 30% という目覚しい年平均成長率を記録し、市場の予測では今後も成長を続け、2011 年には90 億ドル規模となる見込みです。しかし、生産性の改善にもかかわらず、製造原価の高さがLED 普及の最大の障害となっています。

CFD-ACE+ マルチフィジックスCFD ソフトウェアによる
MOVPE 法の薄膜成形工程のモデル化およびシミュレーション

化合物半導体をベースとするLED は、通常、III-V 族半導体と呼ばれる複数の積層膜で構成されます。LED は、有機金属気相成長法(MOVPE 法) という製法で、気化した有機金属材料と水素化合物を用いて製造されます。
反応前駆体は大気圧以下の処理圧力でキャリアガスとともにMOVPE 反応器に供給され、材料と用途に応じて600 ~ 1,400℃の温度に加熱された基板上で単結晶の固体積層膜が形成されます。

AIXTRON AG 社は、MOVPE 法において使用する化学反応器および成膜プロセスに関する基礎技術の開発と装置の製造および販売を行っています。反応器と成膜プロセスの設計において、複数の基板間の均一性が平均値からの変動で± 1% 未満、さらに精度が数ナノメートルに達する層組成および厚さの正確な制御を行うことは大きな課題となります。

そこで、半導体成膜プロセスのマルチフィジックスモデリングとシミュレーションは、繊細なMOVPE 法の精度要件を満たすために不可欠なツールとなっています。AIXTRON 社では、コンセプト化、ハードウェア開発およびプロセスチューニングにおける指針を得るために、ESI グループのCFD-ACE+ マルチフィジックスCFD ソフトウェアが10 年にわたり使用されています。業界では、LED の製造原価の低減のために、運用コストの低いMOVPE 反応炉が求められています。これは、より多くの基板を収容できる大型の反応チャンバーを作ることにより、ガス消費量を削減することにより実現できます。ここで、成膜プロセスのシミュレーションは、技術的リスクの低減と開発期間の短縮において重要な役割を果たしています。

AIXTRON AG 社はここ数年で、反応器の同時に処理できる基板枚数を大幅に増加することができました(図1)。
成膜プロセスモデリングは、伝熱と多成分系の混合ガス流と連成させた層流の混合ガス流の数値シミュレーションに基づいています。III 族窒化合物の成長については、複雑な気相反応と気相核形成(低揮発性の反応副生成物間の相互作用によるナノサイズ粒子の形成)でさえも、基板表面の窒化物半導体層の成膜に考慮されています。なお各モデルはSTR 社と共同で開発され、ユーザーサブルーチンおよびユーザー定義スカラーを介してCFD-ACE+ に組み込まれました。

MOVPE 反応チャンバーのガス導入口は、プロセスの性能と汎用性を決定する重要な部品です。その開発にはマルチフィジックスモデリングアプローチによる厳密なCFD に基づいて、42 × 2 インチウエハー用の新型AXTRONPlanetary ReactorR の先進的なガス注入器が開発されました(図3)。これはGaN ベースのLED を処理する生産規模の反応器として現在世界最大級のものです。この機器には、高度な均一成膜制御し、ウエハー間の対称で均一なガスの流れの再現性を保証し、早期の気相反応を防止するための注入器の温度制御を行うために複数のガス導入口が装備されています。

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